地球月光浴
石川 賢治

定価: ¥ 3,990
販売価格: ¥ 3,990
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発売日: 2001-05
発売元: 新潮社
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???写真といえば太陽光で写すか、夜ならフラッシュをたく。そんな常識を覆したのが写真家石川賢治である。1985年以来、「月光浴」と名づけ、満月の光だけで写真を撮ってきた。本書はその最新刊の写真集。ここには、あふれる色彩も、人工照明に輝く町や人間たちの姿形もない。微妙な諧調の青、影絵のようなモノクロームの鉱物的世界があるだけだ。それは夢の中のような、あるいは生まれる前か死んだ後のような、寂しくも美しい沈黙の世界。作品のすべてが目をつむらないと見えてこない内省と瞑想の視覚に気づかせてくれる。 ???ヒマラヤの鋼鉄のような山嶺と満月、ケニアの草原の月光に浮かぶライオンやキリン、青白く光る白い花、溶岩流の赤を照らす月光の青、雪解け水を集めて流れる高原の源流。長時間露出のため、水が白い光のもやとなって、まるでサテンの長い布地が風をはらみゆらめいているよう。その岸辺に蝟集(いしゅう)する石。濡れてぬめった大粒の石たちは、いま目覚めた原生動物みたいにエロティックである。 ???星座、十五夜、ホタル狩り、夜祭り。幼き日の夜に浮かれた記憶。慣れ親しんだはずの眺めが、昼とは違って見えなかったろうか。月の満ち干が、じゃがいもの発芽に作用しているという科学記事があった。かたく閉じた種子の闇に、月光が届いていたということだ。月光を浴びた地球という大きな種子をとらえたカメラのレンズを、讃えたい。(中村えつこ)
月の光を浴びたい日には
しっとりとじんわりと夜がうごめいている姿が写真に収まっています。
大切な人にプレゼントしたい一冊。
465,000分の1の世界
本当に好きな本のレビューは、なかなか書けないものです。
他人に教えたくない、一人で満足していたい、自己中心型なのかもしれません。
でもいいものはいい、絶版や廃盤は悲しいのでやっぱり売れ続けて欲しい。
この写真集はすべて、太陽光の465,000分の1、満月の光で撮影したそうです。
満月の光が、意外に明るいと感じたことはありませんか。
見慣れた物たちが美しく見えたり、自分の影に驚いたり。
都会ではそういう時間もなくなってしまいました。
ヒマラヤ山脈もチベットの断層も、ケニアの動物たちもハワイの海岸も、
太陽光の下よりも、かえって自然で生き生きとして見えます。
ケニア「キリン三兄弟」の写真は、拡大して部屋一面に飾りたいくらい好きです。
地球は青かった。そんな懐かしい言葉を思い起こさせる静かで力強い本です。
透き通るような月夜の空気
しんとした夜。月明かりだけが降り注ぐ。
こころにゆっくりと染み渡ってくる夜の海。
ハッとするような美しさの月下美人の花の開花の瞬間。
どのページも、将に月の光だけで捉えられた神聖な領域のような一瞬、
大いなるものの力を垣間見る事が出来るかのように静かで
気持ちを落ち着かせてくれる世界が広がっていて、
目を奪われてしまう。
いつまでも側において、ことあるごとに眺めたい写真集である。


