BONES ― 動物の骨格と機能美
湯沢英治

定価: ¥ 3,675
販売価格: ¥ 3,675
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発売日: 2008-06-23
発売元: 早川書房
発送可能時期: 在庫あり。
自然の機能美
私は動物学の専門家ではありません。少し動物の骨に関わる研究をかじっている関係で、骨の写真が見たかったので、この本を購入しました。骨の全体像や部分写真なんて、あまりみる機会がありませんが、白くて、何よりも機能のために改良を繰り返したフォーム、といったらいいのでしょうか、無駄のないその形は、どの動物の骨も誠に見事です。黒バックに仕上げられた本書の写真は、気持ち悪い、とか、怖い、とかいう感情は抱かせず、只管美しいです。
出版が早ければ・・・
“骨から見る生物の進化 (洋書タイトル:Evolution)”という
あまりに美しい骨の写真集が出版されたあとだけに少し損をした感じがいなめません。
本の大きさにもよると思いますが、写真の美しさが違い、
動物の骨格が持つ荒々しさ、組織の生々しい感じが表現しきれず、
“骨から見る生物の進化 (洋書タイトル:Evolution)”に及びません。
しかし、本書の良さは別のところにあります。後半の丁寧な解説。
微妙に痒いところに手が届かないところもあるのですが、
脊椎動物の骨格について、写真とともに学ぶことができます。
値段も良心的。
写真は、少し、ハイライトを強調しすぎではないだろうか。
新生、モノクロームのフォトグラファー誕生と思う。
ヴィジュアルブックが好きで、目にとまって気になると手元に置いておきたくなる。この写真集ともよい出合いだった。写真がなにしろいい。黒の背景に白い骨、それを自然光だけで撮り続けている。フォトグラファーの著者あとがきで「肉体を失った骨(死)から命が吹き出しているのだ。死の生命力とはいったい何だろう? そのヒントは、ディテールに隠されている。死してむき出しになった、骨たちのディテールに」とある。生き抜くためのスピード、ターゲットに飛びかかるジャンプ力、噛みちぎる歯の大きさ、軽やかに空を飛ぶための薄く透き通る頭骨、背骨から肋骨から脚骨、指、尻尾、なんと匠で美しいのだろう。繰り返し、繰り返し、ページをめくり、動物の骨に惚れ込む。これは案外、自分の命の意味、を考えさせられる機会ともなる。人間の骨格の写真はこの本には載っていないが(図説はある)、いまこうして生まれてきた自分が素晴らしいもののように思えてくる。わたしにもこんな美しい骨格があるのだから。もうちょっとましに生きていける。暴走気味の発想だが、見えないところの美しさこそ、大事な美しさがある、と、思わせてくれる。


